エピソード1

[はじめての独占欲]
友人とその子ども、友人の妹のエピソードです。友人には2歳になる男の子がひとりいるのですが、おっとりマイペースタイプの子です。はじめての子どもで、周りも大人ばかり、まだ保育園や幼稚園も行っていなかったので、自分の好きなようにさせてもらうのが当たり前の生活でした。友人には独身の妹がひとりおり、時々友人宅へ遊びに来ていました。優しくて可愛いお姉さんで、友人の子どももたいそう懐いていたのですが、頻繁に会えるので、わがままを言ったり、ちょっと邪険にしてみたりすることもありました。ある時、友人と子ども、友人の妹の3人で近所の公園に遊びに行きました。妹が「〇〇くん、よーいどん、見せてよ〜」と言って遊んでくれようとしても、子どもは砂場に行きたいので「やーだよ!やだもんね!」と言って砂場の方に行きました。妹もあまり構いすぎても嫌かなと思って放っておきました。すると、滑り台の上に同じ年頃の男の子がいて、高いところから、1人で滑って降りてきました。とても可愛いので、「すごいねぇ、1人で滑れるの?」と声をかけると寄ってきて「滑り台、何回もやるの!見てて!」とまた階段を登って行きました。友人と妹とその子のお母さんとで話しながら、滑り台の周りにいたら、砂場にいたはずの友人の子どもが血相を変えて飛んできました。そして、「よーいどん、よーいどん、するよ!!こっち!来てよ!」とさっきまで嫌がっていたかけっこに妹を誘いはじめました。いつも自分に向いていた優しいお姉さんの関心が、ほかの子どもに行ってしまい、焦りまくっているのがすぐ分かりました。そして、何回も何回もよーいどん、をしてくれて汗だくになりながら、妹を呼んでいました。家に帰ってからもしばらくは、妹にジュースを持ってきてくれたり、急に優しくなって必死に関心を取り戻そうとしていました。友人は笑いを噛み殺しながら「そうだ息子よ、愛情とは努力して勝ち取るものだぞ?」とその豹変ぶりをしばらく楽しんだそうです。